久保睦(過去睦)×久保睦
「いい加減そんなもの手放せばいいのに」
過去の久保睦は棒つきキャンディーを舐めながら久保睦に言葉を放つ。
本当は久保睦は諦めたかった。社会に迎合する事を、人に喜んでもらうことを。
自分を喜ばせて自分のやりたい事をしたかった。
成績、世間、そんなものは一切気にせず、ただ内から溢れてくる何かを形にして呼吸を繰り返したかった。
もう立ち上がる気力も無い。
自分である事を諦めて、ただのどこにでもいる男性として生きていくしかない。
「腑抜け」
意識が朦朧とする中かすかに聞こえた。
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